希少な3%歯科医だから生涯勤務医になれる
一生勤務医という選択肢
開業し院長になる事、すなわちそれは一事業の責任者になると言うことです。
医院の規模の問題では無く、その責任の重さは、仕事に真剣に取り組む意識が高ければ高い程、身をもって実感する事になるはずです。
一方、勤務医であれば、生涯気ままに勤務できるかというと決してそうではありません。
「一生勤務医」という選択肢は
- 開業はリスクを背負うもの、ならば治療だけを気楽にできた方がいい
- 歯科治療を極めていきたい、経営なんかに頭を使うのは馬鹿げている
等の仕事に対して消極的な姿勢では務まりません。
それは、歯科医院から「求められる勤務医」になれていないからです。
開業医に求められる能力
かつて、歯科医師は治療技術が人並みにあれば、一開業医として生涯生きていけた時代がありました。それは世の中の需給バランスがそのような状況だったからでしょう。
しかし、需給バランスが取れていない現在では、開業医に求められる能力として「歯科治療技術」以上に必要とされる重要な要素が「リーダーシップと人材マネジメント力」となります。これらがなければ開業医として成功を収めることはできません。
この背景には、一般社会からの「歯科医院」への評価が下がり、歯科への見方が変わり、他職種と同等の観点から比較評価される様になった事があげられます。
つまり、医院の成功の優先順位を経営力として捉え、特に人材面ではリーダーシップをとり、スタッフの意識のベクトルを統一しつつ、自己成長の機会を提供していかなければスタッフから価値のある雇用とは判断されなくなります。するとスタッフがそこにいる価値を感じられずに去っていくことになります。この発想で居続けるとその院長は世間からの評価は得られず患者様からの支持は集まらないのです。
しかし「リーダーシップと人材マネジメント力」、歯科医師にはこの能力が無い事もしばしば、また必要意識も無いだけでなく意味すらも分からない・・・という事も多いのが現実です。
生涯勤務医に求められる考え方
開業は資金面も含め、勇気のいる決断ですし、リスクにさらされるものです。
しかし、キャリアに対する消極的な姿勢であれば、長期的に見て雇用する側からは評価されません。
「生涯勤務医」の実現の為に歯科医師に課せられた最大のミッションは
- 自身が高齢になっても雇用してくれる医院を探すこと
- 勤務医として謙虚であり続けること
の2点だと思いますがこれを実現するのは必ずしもたやすくありません。
一方、雇用側の医院も終身雇用の様な概念で歯科医師の採用をしたがらない現実があります。
それは、長期間勤務希望者は引手あまたになりえる雇用希望にも関わらず、雇用側歯科医院はその価値を理解出来ていない事が多いからです。
それは、ほとんどの歯科医院院長が「歯科医師=歯科治療」との意識が強い事があるからに他なりません。
つまり、その歯科医院院長も「院長の仕事=歯科治療」との意識しか無く、自身の将来について、医院の将来について、医院の発展について等の現実的ビジョンが希薄な事により、この終身雇用希望がいかに貴重で幸運な話か理解出来ない様です。
そして、勤務側歯科医師も自身が年を重ねてしまえば「歯科治療」部門では歯科医師として職場に貢献出来なくなると容易に想像出来るはずであるにも関わらず、条件・環境に対して謙虚ではないことがあります。
勤務医としての確実な成功法は「片腕意識」
私は現在の歯科業界の常識、流行、そして歯科医師の人間性等を考えればこの「生涯勤務医」を成立させる唯一の方法は「院長の片腕意識」しかないと思います。
それは雇用側院長も自身の「片腕」を欲している、勤務側歯科医師も院長の「片腕」になる事が生涯勤務医を成立させる手段と理解しているからです。
先述した「リーダーシップと人材マネジメント力」の話に戻りますが、雇用側院長に自身の「片腕」待望の意識があれば間違いなくこの能力を持ち合わせているはずです。もし無くても必要意識はあるはずです。
つまり、雇用側院長にこの能力が完璧にあれば「片腕」に歯科治療部門を仕切って欲しい、またこの能力はあるが細部まで行渡る細やかさが無いのであれば「片腕」に細やかなフォローお願いしたい、逆にこの能力が無いのであれば「片腕」にこの能力を期待したい、と考えるはずです。
若手勤務歯科医師の皆さん、「リーダーシップと人材マネジメント力」が無い事を「歯科医師だから必要ない」と現実から目を背けているようでは「生涯勤務医」はありえません。
- 歯科治療の技術があれば食いぱっぐれない!
- 治療経験を積んでいれば優遇してくれる職場はある!
その考えは必ずしも正しくないことを早く理解することが重要です。