患者を自分で増やしたいという意識を高める
開業すると必要な本当の力
勤務歯科医師が転職時に医院を選択する際の条件で「患者を割り当ててもらえる」が上位に見られるようです。
しかし、将来成功と言える開業をしたいのであれば「患者を増やすところからやらせて欲しい」が上位に来なければいけません。
何故なら開業医となれば「処置力」より「増患力」の方が圧倒的に必要だからです。
歯科医師の開業志向が強い状況で「患者を与えてくれる医院が良い」が上位に来る背景は歯科医師が開業してから本質的に必要な力を分かっていないという事実の表れだと考えれらます。
患者の割り当てについては、雇用側歯科医院は転職してきた歯科医師に1日1人配当を一週間するだけで充分と考えます。
もし、現実を理解出来ている歯科医師であれば最初のその5,6人の配当患者のみで1ヵ月後には1日最低20人は予約が埋まっている状況にもっていけるはずです。
もしそうなっていなければ雇用側歯科医院は採用した勤務歯科医師に能力の無さを理解させ解決策を指南する必要があります。
増患力=人間力の発想
「増患力を伸ばす」という力は「治療の幅を拡げる」とは全く別次元のものです。
前者は核心的な本質的な人間力の話、後者は上辺の技術的な話なのです。
歯科医師にとっての人間力を鍛え、増患に繋げるには下記の3つは最低限必須の思考です。
1.歯科医師としての「歯科治療」に対する本質的な考え
- 多くの人から支持を得られ、インパクトを有する「治療観」をしっかり持つ
- 他歯科医師との「差」を感じてもらう、「特別感」を演出する
- 上記1.2が実際の歯科治療よりもはるかに大事という思考
歯石を取ってほしいと言われて除石、親知らずを抜いて欲しいと言われて抜歯、被せ物が取れたからつけて欲しいで再SET、虫歯があると社内検診で言われたからとC処、他院で歯周病と言われたからとP処・・・。
歯科医師は歯科治療のプロですから処置出来て当然、技術追求して当然です。
つまり歯科治療自体は幹では無くただの枝葉です。
プロである以上、患者に歯科治療に対する客観的な持論を展開し、患者にインパクトを与える必要があります。
これまでの歯科医師とは全く異なるインパクトをです。
そのプレゼン内容で「かつての歯医者」から「医療人」と思わせなければいけません。
2.1人の新患患者様から口コミ等で何らかの評価が波及するであろうネットワークの存在を予想
その人数は最低でも10人位先まで見越す必要があります。
そして大切なのはそのネットワーク内の人間関係の背景を他歯科医師よりも出来るだけ具体的に細かく把握すること、ここが肝要です。あとはネットワークの波に他歯科医師とは圧倒的に違う強烈な良い印象を乗せるのです。
これがいわゆる口コミです。
仮に新患をAさんとすれば、このAさんと応対した際に、Aさんのネットワークを瞬時に予想し、他歯科医師より話が分かり、頼もしく説明も明瞭などあらゆる点で有能ぶりをアピールし、Aさんにインパクトを与える。
このAさんから10人目のJさんくらいまで波及することを想定し、Jさんまで強烈な良い印象を必ず波及させる、つまりJさんまで紹介の初診患者様として来て貰う、そうなる様にするのです。
つまりAさんに触れたことでJさんまで10人の初診患者様を獲得出来たということです。
そしてこの思考でいけばまたBさんからも10人、Cさんからも10人・・・となりえます。
3.患者様に満足してもらう
患者様に満足して貰う事は当たり前のことであり、予約患者様でいっぱいであったとしても急な来院患者様を断る、もしくは既存の患者様への治療、対応が雑になってしまう、では歯科医師失格と考えなければいけません。
どの様な状況でも、何人もの患者様が重なってしまっていたとしても全ての患者様に満足を与えるという気持ちは歯科医師として当然必要なことですし、その思考が無ければ患者様が増えることはないですし、医療人としての発展はありえません。
どんな状況でも全ての患者様に満足を提供する能力を身につける為にはその様な状況に常に身を置き、自身の限界の先で日々トレーニングを重ねて行くしかない。
つまり「時間を気にせず治療したい」や「ゆっくりでも良いから丁寧に」等の思考は将来の発展は考えづらくなることを理解しておくべきです。