自己差別化を図るために必要なこと
マネジメント力有無の判定法
患者様から選ばれる歯科医師になるにはマネジメント力は必要条件と考えて良いと思いますが、
この力、我々歯科医師の日常でその有無を簡単に調べる事が出来ます。
10時が左上2のCR、10時半が右上4のRCT、続いて11時は左上6のインレーセット、11時半に左下567の義歯調整、12時に左下8の難抜歯、難抜歯なので60分、13時より右上7の感根処、これも大変そうなので60分というアポイント内容。
しかし実際には10時半のRCT患者が無断キャンセル、その時間に初診の急患が入る。
11時半の義歯調整患者はキャンセル希望の電話があり、次回のアポイントは決まらず連絡待ち状態になり、その時間に前日つけたばかりの仮歯がとれたと来院した患者を急遽診療する。
歯科医師は夜までこの様な少々のアポイント変更がありながらも診療に集中し、その歯科医師なりに満足出来る人数を診療して一日が終わる。
どこの歯科医院でも良くある一般的な歯科医師の本当に普通の日常かと思います。
ここで勤務医としてA先生とB先生という2人の先生がいたとして、一日終了後に院長から「一日どうでした?」と質問がありました。
それに対してまずはA先生。
『8番埋伏の難抜歯、思った以上に時間がかかりましたが何とか抜けました!!
骨剥もかなりしたので腫れや痛みが出てしまうと思います。
レントゲンから根の形態や癒着度合いを読み取るのは難しいですね、縫合もかなり時間がかかってしまいましたし。
こういう埋伏がスパッと抜けないとダメですよね、頑張ります。
でも90分かかりましたが、抜けて良かったです。
そのあとの感根処ですが、前のEXTで時間がかかり、30分お待たせしてしまいましたが、2根はオープン出来ました。
でもまだ近心根が開いていません。
次回のアポも、長めに時間を取ったので絶対近心根あけます!!治療費は2000円弱です。』
それに対しB先生は、
『RCT2回目での無断キャンセルがとても心配です。
患者さんに処置内容が理解させられなかったかもしれない。
そうだったとしたら、歯科医師目線で説明してしまったかな。
急な痛みで他院へ行っていたら最悪です・・・。
初診の急患は、30分で出来る限りのことをやれたと思いますが高評価を得られているかは自信がありません、初診からさらに紹介で初診増やしたいのに・・・。
受付にも急患初診患者の受け入れ方法注意する様に言わないといけませんね。
義歯調整患者さんのキャンセル、前回帰り際に違和感強いとおっしゃっていたのが本日来院されず、
おまけに次のアポも取っていないのが心配です、以前の古い義歯使ってるのかな。
他院へ行ってしまってたら最悪・・・奥様の義歯の調整も難攻しているので。
予約いっぱいだったとしても無理して装着日翌日に来て貰いケアしておけば良かったです。
前日付けた仮歯脱離、たまたまキャンセルが出たところで対応出来ましたが、仮歯がとれるって医院としても即悪い評判に繋がりますよね、患者さんにしてみたら仮歯でも「医院で入れた歯」ですし、本当にすいません。
それに不具合が出て次回予約の前に来てもらうのって申し訳ない事だし歯科医師としても格好悪いことだと思います。
しかも急な来院だとしても少しお待たせしてしまいましたし・・・・。
次の水平埋伏EXT、抜けたけど90分もかかってしまった。
この患者さん、そしてほかの患者さんに及ぼす効果を考えればこの手の抜歯ってどんなに抜ける技術があっても
我々歯科医師は患者さんから評価を受ける立場だと思うとある意味無意味な仕事だと思います。
一応その患者さんとは信頼関係構築出来ているのでリスクは最少に抑えられると思います。
感根処60分、これは確かに必要な処置ですが処置前と処置後で患者さんが分かる
口腔内変化も無く60分費やして2000円って、患者さんにしてみたら不満だらけですよね。
だから処置後の説明、喋りまくりました。
前の抜歯がのびてしまい待たせてしまったことは自分の能力が不足している事に尽きると思います、すごく反省しています』
どうでしょうか?
この内容の差がマネジメント力の有無と考えても良いと思います。
必要なのは歯科医師からの評価ではない
ハッキリ申し上げて、このA先生は将来歯科医師同士からの評価は得られる様にはなると思いますが、ただそれだけで真に実りある将来はないと言っても過言ではないでしょう。
マネジメント力のかけらも見当たらないので。
治療についての話が多く、そこに興味があるとは思いますが、
きっとこの先どんなに研鑽を積んだとしても興味を持っているその技術さえ向上は期待出来ないと私は思います。
逆にB先生は「社会人意識」、「患者目線」、「マネジメント力」、現代の歯科医師に必要な全てを持ち合わせた歯科医師です。
治療技術くらい意識するまでも無く獲得出来てしまうでしょう。
歯科医師にとってマネジメント力を持ち合わすということは最大の効果、つまり、
最良の患者評価・収益利益獲得・歯科処置技術向上をリスクなく獲得出来るということです。
B歯科医師の思考は、
人(患者の気持ちや反応 受付スタッフ 自分自身)、
物(処置技術や内容・スピード・効率 処置プレゼン能力 アポ取得方法)、
金(患者会計額 医院利益 増益意識 費用対効果)、
情報(他医院転院などの危機意識 自分と医院に対する評判 差別化意識 患者評判の良い歯科医師像)
の4つを意識し、連動させる事が出来ています。
つまりこれこそ最大の効果を生み出す思考と言えます。
マネジメント力、その力の有無が自身に明るい未来をもたらすか否かを決めると言っても過言では無いでしょう。